
飯田市中心部の橋南・橋北地区を巡る「りんご並木のまち飯田 モーニングウォーク」が9月14日で250回目を迎える。
同イベントは毎月第2日曜、りんご並木沿いの三連蔵(飯田市通り町)に集合し、約4~6キロの距離を1時間ほどかけて歩く。自由参加で、健康促進に加え、地域資源の有効活用や街なかの再発見を目的とする。
スタート当初はゲストスピーカーを招き、地域の歴史や文化を紹介しながら散歩する形式で行っていた。第60回から代表を務める今村光利さんは飯田市出身。東京の大学へ進学後、新潟などを経て2001(平成13)年に帰郷した。
今村さんは「飯田市の広報で事前告知を行い、申し込み不要の形式にしたことで、より気軽に参加できるようになった」と振り返る。毎回コースを設定し、市役所の建て替え中の一般公開に合わせたり、東和町のラウンドアバウトの建設期間に合わせたり、早朝に飯田動物園を訪問したりするなど、その時々のトピックを交えながら町の変遷を感じるルートを歩くという。
今村さんは「飯田には何もないという声もあったが、実際には街並みは整備され、地域の人が日々手入れをしている。車では見過ごしがちな風景や、城下町の名残も歩くことで感じられる」と話す。「街が変化していくからこそ歩き続けられる」とも話し、参加者からも自然と歓声が上がるという。
7月と8月は、同市ゆかりの民俗学者・柳田國男の生誕月と没月に合わせて関連の地を巡るコースを設定し、9月は日本画家・菱田春草の生誕月と没月にちなんだルートを組むなど、地域の人物に関わるわりある場所のコースも企画してきた。
毎回20~40人が参加し、観光客や口コミで知った人、他地域のウオーキンググループ、小学生連れの家族など多様な顔ぶれが見られる。終了後は「三の蔵」で各自モーニング(有料)を楽しみながら談話の時間を過ごす。
今村さんは「車に乗っていると見えないまちの姿が歩くことで見えてくる。朝の澄んだ空気の中で、地域の美しさと移り変わりを感じてもらえたら」と話す。
250回目となる9月14日は、三連蔵前7時に集合。参加無料。