
鼎小学校(飯田市鼎中平)PTA上山(かみやま)支部が8月16日、5年ぶりに矢高諏訪神社(同市鼎下山)秋季祭典で「子どもみこし」を復活させた。復活した手作りみこしを小学生が担ぎ、きおい・行燈(あんどん)行列に参加した。
同支部ではコロナ禍以降、事業縮小の機運や担ぎ手不足などを理由に、同祭典での子どもみこしの実施を見送ってきた。今年は、これまでの状況を打開しようと役員を中心に議論や検討を重ね、「子どもたちの夏休みの思い出作りに」と「子どもみこし」の復活を決定した。
同支部にはもともと、子どもが秋祭りで担いできたみこしがあるものの重量があり、約3キロの道のりを担いで歩くのは大変と判断。コロナ禍以降、祭りに初めて参加する児童が大半を占めることから、愛着の持てる「みこし」にするため新たに作ることにしたという。
製作は、夏休み期間中の7月29日・30日の2日間、自治会との連携事業「宿題やらまい会」で行い、参加児童と地域の同志会や壮年団が協力しながら取り組んだ。材料は、子どもが担ぎやすいように段ボールを使用。子どもたちは、担ぎ柱の部分に紅白のテープを巻き付けたり、神殿の側面に絵を描いたり、折り紙などで装飾したりするなどして仕上げ、全長約3メートル、高さ約2メートルのみこしを完成させた。
当日は、鼎上山地区在住の小学1年~6年の約40人が秋季祭典に参加。1年~4年生は「あんどん」や「幣束(へいそく)」を持ち、5、6年生がみこしを担ぎ、太鼓や笛の音に合わせ、元気よく「わっしょい」と掛け声を上げながら、大人みこしと一緒に矢高神社を目指した。
参加した小学生からは「自分たちが作ったみこしを担げて感動した」「秋祭りに行く機会がなく、今回、参加することができてうれしい」「夏休みの良い思い出になった」などの声が聞かれた。
同支部長の下枝英博さんは「今の6年生が1年生の時にコロナ禍になり、秋祭りへの参加ができず、みこしも担げなかった。本番を迎えるまで不安だったが、子どもたちの笑顔を見て安心した」と胸をなで下ろす。