
飯田高校(飯田市上郷黒田)2年生の断熱研究チームが8月8日、地元企業と協力しながら、同校2階学習室の窓に断熱材を設置し、断熱改修を行った。
2年の海部美羽さん、石田璃乃さん、田中莉里花さんの3人で探求学習を行う同チーム。「教室の断熱とその効果の検証」をテーマにして活動する。今回のワークショップを行う前の7月24日、地元の有識者を呼び事前の学習会を開いた。担当教諭の柳哲生さんは「断熱ワークショップは生徒からの提案。面白いことを考えるなと感心した」と話す。「協力先の手配などは補助したが、生徒が中心になって進めている」という。
海部さんは「父の仕事の関係で断熱ワークショップを知った。カナダでの留学経験があり、現地と日本との断熱性能の差を感じたので先生に提案してみた」ときっかけを話す。「将来は環境問題を考える仕事に就きたい」とも。同チームは事前に校内へワークショップの参加者の募集を呼びかけ、1年生~3年生の6人が集まった。
当日は、神稲建設とおひさま進歩エネルギーの協力の下、安全に配慮しながらカッターやのこぎりなどの工具を使い、DIY作業で断熱用の内窓を設置した。生徒らは慣れない手つきで窓枠の採寸をしたり、プラ材を切断したりした。参加した1年の小林怜生(れお)さんは「建築系の大学を希望している。設計を勉強したいが、建築の現場を知るのも大事なことだと思った」と参加のきっかけを話す。予算の関係で内窓断熱のみとなったが、内窓だけでも30%~40%の断熱効果が見込めるという。
海部さんは「DIYはとても楽しかった。断熱効果については改修前後の効果を検証したい」と話す。他のメンバーは「環境問題につながる活動で、DIYを通じて断熱のすごさを実感できた」と振り返る。現在は、主に3年生が使う自習用の学習室。海部さんらは「来年は快適な環境で勉強に集中したいと」先を見据える。