
竹害について考える学習活動「バンブープロジェクト」の集大成となるイベント「たけたけフェスティバル~人と竹~ 持続可能な地域を目指して」が7月24日・25日、飯田西中学校(飯田市正永町)で開かれた。
同校3年生2クラスの生徒64人が、1年時から「総合的な学習の時間」を使い、地域の放置竹林について学んできた。1年時では、学区内にある円悟沢流域の竹林を「かざこし山里整備隊」から学び、実情を知った上で利活用のアイデアを出した。2年次では竹灯籠を作り、元山白山神社(羽場権現)の階段に並べた。
3年2組担任の小泉拓哉教諭は「イベントに向けた準備の中で、『竹が好きになった』『街なかの放置竹林が気になるようになった』などの声が生徒から上がり、自分事として地域を捉えるようになってきた」と生徒の成長を振り返る。
フェス初日は「竹トンボ作り」「箸作り」「流しそうめん」「モルック」「マリンバ演奏」など、竹を使ったワークショップやゲームを繰り広げた。生徒たちは昨年11月から各自希望するグループに所属し、準備を進めてきた。当日は同学区の丸山小学校(今宮町)の児童が大勢訪れた。
「流しそうめん」のグループでは、用意したそうめん14袋(5束入り)が午前中でほぼ完食となり、午後に追加で買い足す盛況ぶりを見せた。参加した児童は「流しそうめんを箸でつかむのが楽しい」と話し、笑顔でそうめんを頬張っていた。
「箸作り」に参加した丸山小の児童は「竹の外側が硬くて内側が柔らかい」と感想を話す。「竹とんぼ」作りを担当した生徒は「作り方を伝えるのは難しいが、楽しんでもらえてうれしい」と話していた。
2日目には「~人と竹~ 持続可能な地域を目指して」をテーマに講演会も開いたほか、竹炭こんにゃくやメンマを販売するなど、竹の利活用について多角的に学べる機会となった。
河野寛樹教頭は「子どもたちの思いで続けてきた活動は、これで終わりではなく、今後も地域と寄り添いながら継続していけたら。3年間を通じて、地域貢献活動を互恵的な関係で取り組めた。地域の方々の協力があってこそ成り立った取り組みだった」と振り返る。