
「飯田市国民健康保険 南信濃診療所」(飯田市南信濃和田)が6月11日、診療を始めた。これまで地域医療を担ってきた山崎医院の閉院に伴い、新たに開設された。
「南信濃診療所」開所式、2025年6月8日(写真提供=飯田市)
所長には、山崎医院で院長を務めていた医師の山路研二さんが就任。高森町出身の山路さんは順天堂大学卒業後、腎臓内科医局に席を置き、順天堂大学医学部付属練馬病院や越谷市立病院、当時の北海道登別病院などで勤務。過疎地域の医療に携わってきた。2011(平成23)年から山崎医院で診療に当たり、翌年にはUターンして飯田病院(大通り1)に勤務しながら週3回、同院で診療を続けた。
2020年、伯父である前院長の体調を考慮し山路さんが同院を引き継いだ。無医村化を防ぐため、南信濃まちづくり委員会と協力して飯田市へ働きかけ、公的診療所の開設に至った。施設はコロナ禍を踏まえ、感染症対策を施し、看護・患者の導線を意識した設計を施す。新設の診療所は木造平屋128平方メートル。診察室やエックス線検査室、処置室・感染対策診療室などを備える。
山路さんは「地域の皆さんが、どんな時でも安心できる場所、小さな診療所だが体調不良はもちろん、不安や話を聞いてほしいというときにも気楽に立ち寄ってもらえる場所でありたい。心を込めて診療していく」と決意を新たにする。