
文化トピック展示「万国博覧会と田中芳男」が6月8日、飯田市美術博物館(飯田市追手町)で始まった。
田中芳男は1838年生まれ。現在の飯田市出身で、江戸幕府や明治政府に勤めた官僚。第2回パリ万博やウィーン万博、フィラデルフィア万博など3回の万博に関わり、日本の近代化に貢献したことから「博物館の父」とも呼ばれる。
今回の展示は、2023年に田中芳男の親族から飯田市へ寄贈された1506点の生前所蔵資料のうち、万国博覧会に関連する資料を中心に構成。
田中は「博覧会は期間が終われば見ることができなくなるが、常に内容を見られるようにしたい」との思いから、博物館の必要性を提唱した。同館学芸員の織田顕行さんは「当時は専門職がなく、任されれば昆虫図鑑や標本を制作するなど、田中芳男は幅広い分野に関わった」と紹介する。
展示では、「田中芳男がどのように万博を通じて日本を世界に紹介し、また海外の技術や文化を学び取ろうとしたかがうかがえる内容になっている」という。織田さんは「ぜひ展示をご覧いただければ」と呼びかける。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。現在展示の観覧料は一般150円、小中高校生無料。8月24日まで。