
「平岩ウイメンズクリニック」を引き継いだ「たかのレディースクリニック」(飯田市川路)が開院して、6月1日で1カ月がたった。
同院は、天竜峡駅から徒歩4分の場所に位置し、長年地域に親しまれてきた平岩幹夫院長の高齢に伴い、4月まで診療を続けた旧クリニックの建物をそのまま活用。院長を務めるのは、飯田市出身の高野宏太さん(「高」は、はしごだかが正式表記)。山梨大学医学部を卒業後、信州大学医学部附属病院や長野県立こども病院など、県内複数の病院で産婦人科医として医療研修を重ねた。
平岩医師とは、飯田市立病院(八幡町)を通し縁があり、診療終了に当たって「引き継いでほしい」と手紙を受け取った高野さんは、「この地域の医療がなくなると困る方が大勢いる。ふるさとで頑張ってみる」と決意し、新たなスタートを切った。
飯田下伊那地域で出産に対応する医療機関は、飯田市立病院1カ所と、助産院3カ所のみ。たかのレディースクリニックは、飯田市立病院の連携産科医療機関の一つとして妊婦健診などを担い、飯田市内にとどまらず、下伊那全域の町村や上伊那郡、さらには県境を越えて愛知県からも来院があり、広域からの周産期医療を支えている。
スタッフは、看護師5人、事務職員3人など、旧クリニックからの体制を引き継いだ計10人。診療には電子カルテを導入し、内診に抵抗のある患者には腹部からの超音波診断にも対応する。
クリニックでは出産以外の婦人科診療に対応し、思春期から更年期、そして高齢期にかけて「女性のライフステージに寄り添う」医療を目指す。漢方薬の処方も取り入れ、不眠や疲労感といった症状にも対応。高野院長は「どんなことでも気軽に相談できるクリニックでありたい。少しでも不安があれば来院してほしい」と話す。
診療時間は、9時~12時、14時30分~17時30分(土曜は9時~13時)。水曜・日曜・祝日休診。