学ぶ・知る

泰阜村で鹿の解体体験会 親子で「命と食」のつながり考える

鹿の頭骨を手にする井野春香さん

鹿の頭骨を手にする井野春香さん

  • 0

  •  

 親子で「命と食」のつながりを考える体験イベント「鹿をさばき、肉を食う!」が6月14日、GAKUキャンプフィールド(泰阜村金野)で開かれる。

[広告]

 鹿1頭の解体から調理までを体験する内容で、村内のジビエ加工施設「もみじや」代表の井野春香さんが講師を務める。井野さんは大学で鹿に関する研究を行い、卒業後は泰阜村のNPOに勤務。村長らとの交流をきっかけに地域おこし協力隊員となり、革細工などの活動を行う中で地元の猟師と出会った。その縁や在学時の経験を生かし、鹿革製品を扱う「けもかわプロジェクト」を立ち上げた。

 活動を進める中で、村内には鹿の解体施設がなく、捕獲された鹿を山に埋めざるを得ない現状を知り、有効活用できる体制を整えようと、村の補助を得て「もみじや」を設立。現在は鹿肉の解体・加工に取り組んでいる。日々の活動では、「命をいただいた以上、極力、無駄にしないようにする」という考えを活動の軸に据える。

 今回のイベントは、飯田市などで飲食店を展開する「岳」に鹿肉の提供を持ちかけたところ、体験会の提案を受けて実現した。

 対象は親子連れを中心に想定しているが、大人一人での参加も可能。定員は約40人。鹿1頭の解体工程の見学・体験と並行して、高森町で日本料理店「葵」を営み、長野県ジビエマイスターでもある中塚敏行さんによるジビエ料理教室も開く。昼食には「鹿肉バーガー」「鹿肉ミニカレー」を提供する。

 井野さんは「子どもたちには『かわいそう』でもいいので、感じたままを受け取ってほしい」と話し、「猟師という生き方が、大人になったときの選択肢の一つになれば」と期待を込める。イベントでは「安全面に配慮し、スタッフ体制を整えて丁寧な指導を行う」という。

 開催時間は10時~15時。参加費は、中学生以上=4,000円、小学生=2,000円、小学生未満無料。完全予約制。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース