
飯田職業安定協会とハローワーク飯田が4月25日、エス・バード(飯田市座光寺)で「ふるさと合同企業説明会2026」を開催した。
来年3月卒業予定(大学・短大・専修学校など)の新卒者と3年以内の既卒者を対象に、人事担当者が会社の説明や求人条件などの詳細を説明した。学生に一社でも多くの会社の説明を聞いてもらえるようレイアウトも変更し、昨年より14社多い94社の地元企業が参加した。
近年、都市部では企業の動きが早く、飯田下伊那出身の学生も首都圏や中京圏の企業を中心に就職活動する動きが見られる。学生の参加者数は年々減少しており、昨年より20人減り、64人が参加。地元出身者の学生を獲得したい企業は多く、参加企業数は増えたものの学生数が伸び悩み、同協会の担当者は「今後、開催時期を早めるなどの意見もある」という。
多摩川精機人事課の柴田一慶さんは「地元の人材が多いが、他地域からの人材も獲得したい。名古屋や長野などへも出かけるが採用事情は厳しい」と話す。「今年は学生が少ない印象。地元出身者は早期離職しないし、地元に根付いて働いてくれるのがいい」と地元学生のメリットを話す。
説明会に参加した飯田出身で地元短大の高島七奈さんは「サービス業や食品関係の会社の話を聞いた。アットホームな雰囲気が良かった」と感想を話す。松本市出身で同短大生の吉崎紗衣さんは「就職は県内を希望している。5、6社くらいは回りたい」と意欲を見せていた。
同協会の井坪伸治さんは「相対的な人口減もあるが、都市部の動きが相当早い。外へ出るとなかなか地元に戻ってこないという課題や都市部との賃金格差も学生数減少の要因では」と話す。
6月3日には高校3年生と教職員を対象とした企業説明会を開く予定。