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飯田の高校生15人、カンボジア・スタディツアーへ向け最後の学習会

「カンボジア・スタディツアー」のシミュレーションを行った

「カンボジア・スタディツアー」のシミュレーションを行った

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 高校生講座「カンボジア・スタディツアー」に参加する高校生15人が3月15日、7回目となる最後の学習会を「丘の上結いスクエア」(飯田市東和町)内「ムトスぷらざ」で行った。主催は飯田市公民館。

高校生講座「カンボジア・スタディツアー」の学習会

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 次代の地域を担う高校生を対象に、地域に誇りと愛着を持ちながら、広い視野で自分自身の将来を考えられる人材を育むことを目的にして開催する同講座。2007(平成19)年に始まり、ドイツや中国、韓国での海外研修を行っている。

 「20年以上に及ぶ内戦で多くを失い、今まさに復興に向けて、地域住民が動いていること」と「南信州緑の基金によるカンボジアへの学校建設などの支援活動のつながりがあり、教育的な視点で深い関わりが期待できること」から、2013(平成25)年からはカンボジアを訪問している。

 今年は、飯田下伊那地域5校から1・2年生15人が参加し、全体での事前学習会を昨年11月から7回重ねてきた。出国前の最終学習会となった当日は、全生徒と同市職員、同基金メンバー、現地に精通しているピース・イン・ツアーのメンバーが参加し、訪問先の「バイヨン中高校」「児童養護施設スナーダイクマエ」「飯田小学校」での交流内容をシミュレーションし、段取りや準備品、流れなどの確認を行った。

 生徒は5人ずつ3グループに分かれ、現地での交流内容をそれぞれ担当する。Aグループは飯田の伝統文化をテーマに「飯田水引」「ひさかた和紙」、Bグループは飯田の資源活用をテーマに「竹林整備」「ひさかた和紙」、Cグループは「飯田の焼き肉文化」をテーマとし、グループごとに地域で活動する専門家との交流や対話を15~20回ほど繰り返し、交流内容の企画を進めてきた。

 Aグループで飯田OIDE高校1年の清水七斗(ななと)さんは「海外に興味はあったが、なかなか行く機会がなかった。学校で配られたチラシを見て、家族にも勧められたことがきっかけで参加を決めた」と振り返る。「カンボジアの中・高生と写真を撮影し、水引や折り紙で写真フレームを飾る。一つ一つの行動を理解し合えるよう、みんなで話し合いながらシミュレーションを重ねた。難しさもあるが、楽しく成功させたい」と話し、「現地では、ただ旅行するだけではなく、交流を通じて文化や環境の違いを体感したい」と意気込みを見せる。

 Bグループで飯田高校2年の原澄怜(すみれ)さんは「海外に行ったことがなく、日本の狭いコミュニティーの中で生きてきた。カンボジアで異なる文化に触れることで、自分の価値観を広げたい」と参加のきっかけを話す。

 同グループで飯田高1年の友野淑(しゅく)さんと小林朋果(ともか)さんは「現地では、『飯田小学校』で日本文化や魅力を伝える。交流企画として、トランプゲームの神経衰弱を計画し、日本やカンボジアらしいイラストをカードに描くなど工夫を重ねた。クメール語に通訳してもらうため、分かりやすい日本語で進行できるよう準備を進めた」と、ここまでを振り返る。「小学校での交流を通じて、現地の子どもたちと仲良くなりたい。互いの国のことを教え学び合うことで、より理解を深めたい」と期待を寄せる。

 Cグループで飯田高2年の伊澤志音(しおん)さんは「日本で当然と思っている価値観を、海外に行くことでそれを変えたいと考えた。自分の価値観を押し付けるのではなく、異なる価値観を持つ人と実際に触れ合い、つながりを深めたい」と話す。「グループごとの事前学習で竹林整備をしている人々の姿を見て、自分の身近にも一言では言い表せない『すごい人』がいることを知り、自分にも何かできるのではないかと勇気ももらった。一歩を踏み出して活動することを『一緒に頑張りましょう』と伝えたい」と抱負を明かす。

 閉会に際して、同市公民館の亀井裕太郎主事から「シミュレーションを通して足りていないものを最終確認して、必要な品は記しておこう」と呼びかけがあり、出発日時などの最終確認を行った後、同市公民館学習支援係の西しのぶ係長から「栄養と睡眠を取って、体調を崩さないように」と声がけがあった。

 一行は3月20日~26日、カンボジアを訪問し、帰国後に報告会などを予定する。

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