
黒田人形浄瑠璃伝承館(飯田市上郷黒田)で2月23日、高校生座員を中心とした「黒田人形座 自主練習成果発表会」が開かれた。
高校生座員主体の「自主練習会」は3年前、人形遣いや三味線演奏の技術を高める目的で始まった。現在、高校生座員は4人いるが、三味線担当の桐生萌心葉さんと藤田和奏さんが今春、高校を卒業し地元を離れ進学することが決まっている。その前に練習の成果を披露する場を設けようと、「自主練習成果発表会」を初めて企画した。
当日は、「三番叟(さんばそう)」「生写朝顔日記 大井川の段(いきうつし あさがおにっき おおいがわのだん)」を上演。幕あいの三味線演奏では、桐生さんと藤田さんが初の裃(かみしも)姿で「観音霊験記 山の段」や「生写朝顔日記 宿屋の段 琴唄より」をはじめ、伊那谷四座練習曲など5曲を披露した。最後の曲では座員と来場者が、太棹(ふとざお)の伴奏に合わせ「ポケモンダンス」を一緒に踊った。
発表会には、演者の家族や友人、恩師など含め地区内外から約40人が来場。上演や演奏が終わるごとに大きな拍手を送った。
桐生さんは「大きなミスもなく、練習の成果を発表できて楽しかった」、藤田さんは「大変なこともあったが、楽しく演奏することが出来て良かった」と、それぞれ振り返る。座長の清水謙一さんは「発表会は初めてだったかが、盛り上がって良かった。卒業する高校生2人も三味線演奏が上達していてうれしい」と、胸をなで下ろす。